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護国神社には種類がある
県庁所在地の多くにあるのが「○○縣護国神社」です。
境内には、戦死者の他、様々な殉職者の慰霊碑が立ち並び、どの護国神社へ参拝しても、一種独特の雰囲気がありますね。
ただ、護国神社には指定護国神社とそうではない護国神社とがあります。
指定護国神社とは?
昭和14年(1939)に護國神社指定が行われ、最終的に東京都と神奈川県を除く全道府県に護国神社が置かれました。北海道や島根など複数の指定護国神社が置かれる場合もありましたし、先程書いたように神奈川には置かれていません。
「東京も無いじゃないか!」と神奈川県の方に叱られそうですが、東京の場合には靖国神社があるため、この指定護国神社は置かれなかったのです。
では、なんで神奈川だけ?という疑問が生まれますよね。実はこれ「時間切れ」が最大の理由です。
神奈川県でも護国神社は指定を受けて建てようとしていたのです。が、完成前に終戦が来てしまい、建設は中止となり今に至っています。同様に、宮崎県護国神社も終戦前に完成することは無かったのですが、その後、昭和28年に奉賛会が立ち上がり30年に完成。熊本では昭和19年にそれまでの護国神社を改め、新たに社殿建築に取り掛かりますが、戦争も後期に入り資材調達が困難となり建築を中断、そのまま完成していませんでした。が、改めて現在の鎮座地に社殿を建設して昭和32年に完成となっています。
うーん、神奈川県、残念です。
指定護国神社ではないケースは?
指定護国神社が「官製」の色彩が強い神社だとしたら、それ以外の護国神社は草の根的な色彩が強いように思えます。というか、護国神社とは別の名前で同様のお社や碑は目にされていますよね。例えば「忠魂社」や「招魂碑」など、地域から出征した戦死者の英霊を祀った施設は、多くの神社に置かれています。
「護国」と書くと「戦争崇拝」だとかと考える向きもあるようですし、実際、戦後間もなくは各指定護国神社でも一旦、改称していた事があったようです。しかし、祖国のために戦士された英霊を祀ることは、海外でも当たり前の事ですし、護国=防衛なのですから、目くじらを立てる必要は無いと思うのです。
護国神社ではお願いをしてはいけない?
「英霊は日本の為に必死に頑張った人たちなのだから、お願いをするのではなく、感謝だけするべきだ」という人がいます。その考え方も良いとは思います。
が、護国神社や靖国神社でもお守りや御札が授与されます。お宮参りに出会うことも少なくありません。人生儀礼を感謝し、将来を英霊に見守っていただくため、護国神社や靖国神社に参拝しても何ら問題ないと、私は思います。