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豊受大神

トヨウケノオオカミ

神様メモ

 稲荷=宇迦之御魂神。だと思いこんでいませんか?伊勢神宮は天照大御神だけが祀られていると思い込んでいませんか?
 伊勢神宮の内宮は天照大御神がお祀りされていますが、外宮にお祀りされているのは豊受大神です。お稲荷さんも、豊川稲荷ならお寺として荼枳尼天が、そして神社でも宇迦之御魂神ではなく豊受大神や保食神が祀られていることが少なくありません。
 こう書けば、ピンと来るでしょうか?そう、豊受大神は宇迦之御魂神と同じ様に「五穀豊穣」の神様なのです。豊受大神の「ウケ」は宇迦之御魂神の「ウカ」、保食神の「ウケ」と通じて食物を意味するそうです。
 そんなオメデタい神様で伊勢神宮にいらっしゃるのですから、さぞや華々しい神話に包まれているのかと思うので、謂れを少し勉強してみましょう。
 
 まず、『丹後国風土記』逸文に丹波郡比治里の比治山頂にある真奈井で天女8人が水浴をしていたとあります。しかし、そのうち1人が老夫婦に羽衣を隠されてしまい天に帰れなくなったそうです。老夫婦は、その天女を自分たちの家に住わせます。すると天女は老夫婦に万病に効く酒を造ってくれたのです。10年余りにわたって天女に酒を造らせた夫婦は、大変豊かになったそうなのですが、豊かになってしまったあとは、用済みとばかりに天女は家を追い出されてしまいます。天女は漂泊した挙げ句、奈具村たどり着き鎮まったと言われています。そしてこの天女こそが豊宇賀能売命だと言うのです。かなり悲しいし、人の欲の怖さを感じます…。
 さて、この他にも豊受大神は丹波に纏わる逸話が多いのです。
 丹波、但馬の地名は、豊受大神が丹波で稲作をはじめられた半月形の月の輪田、籾種をつけた清水戸が京丹後市峰山町にあり、そこが古く「田庭」と呼ばれ、これが転じて丹波になったという説もあります。また、伊勢神宮外宮の社伝である「止由気宮儀式帳」では、雄略天皇の夢枕に天照大神が現れ「自分一人では食事が安らかにできないので、丹波国の比治の真奈井にいる御饌の神、等由気太神(とゆけおおかみ)を近くに呼び寄せよ」と言われ外宮に祀るようになったとしています。元々は丹波にいた神様だとされているのですね。

別名、別記法

豊宇気毘売神、豊受気媛神、登由宇気神、豊岡姫、等由気太神、止与宇可乃売神、大物忌神 など

ご神徳

金運 商売繁盛勝負・出世交通安全航海安全
旅行安全殖産興業工業農業 良縁祈願
漁業 厄除け安産祈願 子孫繁栄 子育て守護
夫婦和合家内安全 縁切り 国家安泰 健康
長寿 学問成就 開運招福 武運長久火難消除
芸能・芸術 試験合格方位除け酒造武道守護

祀られている主な神社

三重県伊勢市 伊勢神宮 外宮
東京都港区 芝大神宮

神使

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