十一面観音菩薩

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梵名

エーカダシャムカ

真言

・オン ロケイジンバラ キリク
・オン マカ キャロニキャ ソワカ

概要

 頭上に11の顔を載せた観世音菩薩の変化身であり、数多くの変化身の代表格である六観音に含まれています。
数ある観世音菩薩の変化身の中でも千手観音と並ぶ人気、作数の多さと言われますが、その魅力はどこにあるのでしょうか。
一つは11の顔で人々を見守り十種勝利と言われる現世利益の成就に一役買って頂けることがあるでしょう。
また像としての繊細さ、面白さにあるのではないかと思っています。十一面観音の十一面は、通常、三面の菩薩面、三面の狗牙上出面、また三面の瞋怒面と一面の大笑面に、頭頂部に位置する仏面とで構成されています。
菩薩面は、その下の観世音菩薩のお顔と同じ方向を中心に左右に配置され、観世音菩薩と同じ慈悲を示す優しいお顔が並びます。また狗牙上出面は通常、菩薩面の左に配置されています。読んで字の如しで「狗(狗)のような牙が上へ出ている面」となり、一見、菩薩面とは違い恐ろしい顔をされているようですが、よくよく見ると笑っているようにも見えます。実際、この面は清らかな心を持つ衆生が仏の道を歩めるようにと応援、励ましているお顔だと言われています。では、この逆面になる瞋怒面はどうでしょうか。こちらは真面目に怒っているように見えますね。このお顔で穢れた衆生を悔い改めさせ、仏道へ誘っているのだとか。文句は言わせないぞ!と言うお顔ですね。さて、次が大笑面です。まず、大抵のお寺では、裏面に当たるこの面は見ることができません。拝見できるのは境内内に石像として安置されているか、あるいは宝物展のような展示会に限られるかと思います。そしてこちらはお名前の通りに笑っているのですが、どこか空々しいというか、心から笑っているように見えない事が多いのです。実際、この笑顔は悪にまみれた衆生への怒りの余り笑顔となり、彼らを笑い滅する顔とされているんですね。救いようが無いということなのでしょうか…。最後が仏面です。多くは阿弥陀如来のお顔を乗せているようですが、場合により菩薩の顔としていることもあるようです。
と書いてきたように、顔と同じく様々な個性を頭の四方において、私達を11面360°の視野で見守って頂けるのですから、そりゃ、人気も出ますよね。

由緒

六観音の中では修羅界を担当される十一面観音様ですが、その理由や起源には不明なところが多いようです。7世紀頃、ヒンドゥー教の影響下で成立したものと考えられ、日本には密教の伝来と共に伝えられたとも考えられ、十種勝利と言われる現世利益の霊験があるとされたところから人気を集めたようです。また、白山信仰との関係性も伝承されていて、奈良時代の修験道僧である泰澄が子供の頃から十一面観音を念じ厳しい修行に励みました。そして、後に白山を開山し霊場として名高いものとしました。この時、妙理権現を感得しと言われますが、その本地仏は、子供の頃から心に念じていた十一面観音だったそうです。
神仏習合の中でも、十一面観音は特筆すべき存在だったといえるのではないでしょうか。
そしてもう一点、十一面観音が女性的である理由なのか、あるいは元々女性的にみられていたのか、歓喜天様との関係性があります。歓喜天様は元々はヒンドゥーのガネーシャー。勇猛果敢、更には残忍とも言われた軍神です。この神様が十一面観音から諭されて仏教に帰依して護法の神となっているわけですが、通常(多分、どこの寺院でもお祀りしている時には秘仏となっているような…)、ガネーシャと十一面観音が和合した形で作られます。粗暴なガネーシャが、今は夫婦和合や財福の御利益をくださる優しい神様になっている影には十一面観音の存在を忘れないようにしないといけませんね。

私見ですが

思慮の浅い私は、大抵、「あ、聖観音様ね」と聖観音様のご真言を唱えながら石像に近づいていって、ふと頭の上にのった顔に「あ、ああー十一面観音様でしたか(T_T)」という事が少なくありません。
また、それが外に安置された石像や金銅の像などなら、後ろに回って大笑面を拝見する事が度々あります。佳き十一面観音様は、四方八方から眺めたくなるし、飽きること無く拝見できる存在だと思っています。

お姿

既述の通り、聖観音の姿でありながら頭上に菩薩面、狗牙上出面、瞋怒面が各三面、これに後頭部に大笑面をぐるりと配置し、頭頂部に阿弥陀如来などの仏面をおいています。
右手は前に開いて降ろしており、左手に花瓶を持っていることが多いようです。また、光明皇后を模したと言われる法華寺の十一面観音など、女性的なシルエットをしていることも多いようです(本来、菩薩は性別を持ちません)。

守本尊

ご利益など

十種勝利

・離諸疾病
・一切如來攝受
・任運獲得金銀財寶諸穀麥等
・一切怨敵不能沮壞
・國王王子在於王宮先言慰問
・不被毒藥蠱毒。寒熱等病皆不著身
・一切刀杖所不能害
・水不能溺
・火不能燒
・不非命中夭

災難、病気治癒、財福授与、勝利

ご本尊としているお寺の例

三宝寺 練馬区(本尊ではなく、境内の立像)