目次

馬頭観世音菩薩

サイト管理者からのお願い
 このサイトは個人で作成運営しております。至らぬところから誤記等がありましたら問い合わせよりご連絡を頂きたくお願い致します。

 また、現在ボランティアで協力している「叶願」でクラウドファンディング(クラウドファンディングサイトはこちら)を実施しています。皆様の御協力を頂けますと幸いです。

梵名

ハヤグリーヴァ

真言

・オン アミリト ドバンバ ウンハッタ ソワカ
・オン アミリト ドハバ ウン ハッタ (天台宗系)

概要

六観音の一尊であり、庚申塚などにも祀られている馬頭観音。東京競馬場に大きなお堂があるのは知っていましたが、他にも競馬場では多くお祀りされているそうです。
さて、この馬頭観音の梵名、ハヤグリーヴァは「馬の首」を意味していて、ヒンドゥー教の最高神ヴィシュヌの異名でもあります。ヒンドゥーでは、単なる観音様の変化身では収まらないのかも知れませんね。また、異名も多く、馬頭明王や大持力明王、師子無畏観音とも呼ばれることがあります。功徳として衆生の無智や煩悩を排除し、諸悪を破壊すると言われています。また、民間信仰としてですが、先程、競馬場でお祀りされると書いた通り、馬の守護仏もされていますし、経典に基づけば六道輪廻の畜生道を見守っていらっしゃる事から、馬に限らず全ての生類を救う観音様とされてもいます。

由緒

『六字経』に基づいて成立している観音様の変化身です。六道輪廻の畜生道を治め、チベット仏教では、子供の守り神になっているそうですが、日本では、馬頭観音の石仏については、馬頭の名称から身近な生活の中の「馬」に結び付けられ、また近世以降には民間信仰として路傍に祠が作られるなど、馬が移動・輸送の中核を担っている中で道中安全などを見守る観音様とされて多く造像されましたし、それが発展して山の神や駒形神社、金精様などと比定されて日本独特の信仰が発達してきました。

私見ですが

馬頭観音の石像は、子供の頃から見たことがありましたが、実際に調べてみるとペットのご供養などで登場する機会が多い本当の理由が解った気がします。
最近では全く行かなくなったのですが、またもし、東京競馬場に行ったら、レース中の故障などで亡くなっていった馬たちの事を考えながら手を合わせたいと思っています。

お姿

一つの特徴として観世音菩薩、菩薩には珍しい憤怒の相で表されます。この事もあって「明王」がついた別名があるのでしょうか。ただ数は少ないものの柔和なお顔の像もあることから、不動明王のように厳しい表情が決まりになっている訳ではなく、覚善という鎌倉時代の高僧が書いた「覚禅抄」に基づいて優しいお顔の像も作られるようになったそうです。
通常の上に馬の頭を冠のように乗せたもの、あるいは馬の顔をしたものがあったり、3面や4面の像もあります。また腕も二譬〜八臂と多様です。
馬の顔あるいは冠は衆生の煩悩を食べ尽くす意味を持ち、印は馬口印と独特な印を結んでいます。また他の手には剣や斧、棒などを持っていることが多いのですが、その全てが煩悩を打ち砕く意味を為しています。

守本尊

ご利益など

無病息災、動物救済、厄除除災、旅行安全、道中安全

ご本尊としているお寺の例

両国 回向院 墨田区(馬頭観音堂)
輪王寺 栃木県