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焔魔天(閻魔様)

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梵名

ヤマ

真言

・ノウマク サマンダ ボダナン エンマヤ ソワカ

概要

 「嘘を付くと閻魔様に舌を抜かれるぞ!」と言われた方も多いのでは無いでしょうか?(今どきでも言うのでしょうか?)
 そんな馴染み深い閻魔様も十二天の焔摩天としてご活躍です。
 守る方位は南。そんなお忙しの閻魔様について、以下、書いていまいります。

由緒

 元はヒンドゥー教のヤマという神様で、更に遡ると本来はインドとイランの共通時代と言いますから、約4,000年前まで遡るような古い神様であったりします。その次代にゾロアスター教の聖典『アヴェスター』の聖王イマ、あるいは中世・近世のペルシア語でジャムやジャムシードとも呼ばれ、北欧神話に登場する巨人ユミルと起源を同じとして考えられています。
 そんなヤマは妹のヤミーと共に太陽神ヴィヴァスヴァットの子とされ、人間の祖と考えられています。やがてヤマはヤミーと兄妹ながら結婚し、人間の子が生まれます。そして人間の祖であるヤマには寿命があり、人間で最初の死者となるのです。つまり死のパイオニアな訳ですね。そして死者が進む道を見いだし、死者の国の王となるのです。古代のインドでは、ヤマの国は死者の楽園とされ、生前によい行いを人だけが天界のヤマの国に行くものとされていました。
 しかし、時代と共にヤマの世界は天上界ではなく、地下にあるものとされ、死者を裁き、生前に悪行をなした者を罰する恐るべき神と考えられるようになったようです。閻魔様のお裁きそのものですね。そして、ヤマは骸骨で描かれる死の病魔トゥルダクや、神犬サラマーから生まれた4つ目の犬サーラメーヤを眷属として従えて描かれるようになります。
 中国を経由してヤマが閻魔として日本にやってくると地蔵菩薩と同一の存在と解され、地蔵菩薩の化身ともされるようになります。これは平安時代になって末法思想が広まり、鎌倉初期には偽経の『地蔵菩薩発心因縁十王経』(地蔵十王経)が生み出されます。これが閻魔の本地が地蔵菩薩としました。これで地蔵菩薩は地獄と極楽浄土を往来できる尊となったのですね。そして、このことで、閻魔王への信仰心が高まり、更には閻魔と共に十王信仰も普及するようになったようです。
 但し、十二天の焔摩天と閻魔様は日本にはそれぞれ別個に伝わったため、本来、同一の存在だったものが二つに分かれてしまったとも考えられています。

お姿

 単独で描かれる場合、水牛の背に左足を踏み降ろして坐り、右手を曲げて掌を突き出し、左手には人頭幢とも言われる人の頭を半月形にのせた檀拏杖という杖を持っています。また閻魔として造像される場合、冠を被り道服を身につけ、手には笏を持って忿怒の表情をしているものが多いようです。

守本尊

なし

ご本尊としているお寺の例

閻魔様をご本尊としている寺院は少ないようですが、多くの寺院で閻王殿などにお祭りされています。また江戸三大閻魔として

  • 東京都新宿区 太宗寺
  • 東京都豊島区 善養寺
  • 東京都杉並区 華徳院(こちらは御本尊です)

ご利益など

除病、延命、息災