稲荷森稲荷神社

御由緒

『新編武蔵風土記稿』では「菅刈社」とされる稲荷森稲荷神社。読み方は「いなりもり」ではなく「とうかもり」です。よく「十日森」とある稲荷神社でも、「元は稲荷森だったのでは」と由緒にあるので、こちらの書き方の方がオリジナルなのではないかと思います。
 さて菅刈社ですが、これは社殿付近、つまりは桜丘付近を菅刈庄とした古名です。
 現在では、千歳船橋駅前の賑やかな商店街に囲まれた神社ですが、昭和20年代初めまでは、雨降りでも境内では傘が不要だと言われるほど鬱蒼とした森、稲荷森(とうかんもり)とも呼ばれていたと言われます。ちなみに「稲荷」を「とうか」や「とうかん」と呼んでいる事例は各地に少なからずあるので、なんとなくですが親しみを込めた愛称のような気がします。そして社号は、この森の愛称が使われているのです。
 しかし、その森も戦後、社務所の再建資材として使われ、また大気汚染に耐えることができず、今ではほとんど名残を見ることができません。
 ちなみに、この神社には、兄 頼朝に追われて奥州へ向かった源義経を静御前が後を追った際、この当神社で一夜を明かしたという言い伝えもあります。
 
 そんな言い伝えの一つになっていくのかもしれませんが、この神社は単立、つまり神社本庁の下にはありません。その理由は、明治の一村一社運動の中で、世田谷八幡宮への合祀が進められていたそうです。そのために境内の大半が取り上げられたのですが、結束した氏子の反対運動で独立を守り通したのです。この経緯から神社本庁の配下に入っていないとも…。

神社概要

【御祭神】倉稲魂命

【社殿】

【鎮座地】 東京都世田谷区桜丘2-29-3

【アクセス】小田急線 千歳船橋駅から徒歩2分

【創建】 不詳

【社格】

【境内社】 八坂神社

【例祭】10月上旬

【氏子】

【ご朱印】 あり

※  特記なし

【ご朱印帳】 なし

【HP】 なし

【SNS】 なし

地図

神社お得意のご利益

ひと足伸ばして

ギャラリー

参拝記

 千歳船橋に行くと、なるべく立ち寄る神社です。が、あまり千歳船橋に用事がなく、最近、ちょっとご無沙汰でした。
 この神社、読み方や存在の経緯など様々、特徴があるのです。が、10年ほど前、初めての参拝で驚いたのが境内の両部鳥居です。鳥居と言えば境内に入る前にあるのが定番ですが、ここでは一の鳥居をくぐれば境内。手水舎で清めた後で両部鳥居をくぐる導線になっています。
 この日は祭礼にあたり、両部鳥居の周辺にも氏子さんたちが集っていたので、あまりジロジロとできませんでしたが、次の参拝では、色々と詳しく見てきたいな。と思う、大きくはないけれど懐の深い神社です。