河口浅間神社(かわぐちあさまじんじゃ)

御由緒

 貞観6(864)年、富士山で貞観の大噴火が起こります。これに対して貞観7(865年)年、噴火鎮祭のために浅間神を奉斎したのが河口浅間神社の始まりです。
 多くの「浅間神社」は「せんげんじんじゃ」と読みますが、こちらは「あさま」神社と言います。これは公式サイトでも『古くは「浅間」を(中略)「あさま」と読んだ』と書いているように、本来の読み方を継承しているのだと思います。
 では「あさま」とは何を意味しているのでしょう。
 富士山の噴火を鎮めるための神社ですから、火山に関連するワードです。火山で浅間と言えば長野・群馬県境の浅間山も「あさま」です。一方で浅間神社は富士山本宮浅間大社のように富士山にも強く関わりはありますが浅間山とは余り関係性を考えられません。
 これを解く鍵は古語「あさま」です。諸説はありますが「あさま」を「火山」として見る考え方があります。浅間山は「火山の火山」となりますが、同様に「阿蘇」を「あさま」の派生あるいはオリジナルとして考えられているようです。
 つまりは「火山に対する神社」→「火山を宥め鎮めるための神社」としての河口浅間神社建立だったのではないかと勝手に想像しています。
 このように歴史の深い神社ですが、その一方で延喜式神名帳での「論社」としての立場があります。論社とは、神名帳に記載されている神社に対して比定するには論議がある状況です。まず、延喜式神名帳での比定のもとは「名神大社 甲斐国八代郡 浅間神社」です。は論議があるとなると、その「対抗」があるのが通常ですが、その相手は笛吹市の浅間神社です。 
 論社については、ここまでとして(きりがありませんね…)、江戸時代までを少しおっていきます。近世まで、河口浅間神社は富士山信仰の中心とも言える場でした。そのため、ガイド役となる御師の集落として発展していきます。ところが江戸時代に入ると富士講が盛り上がります。この中核は北口本宮冨士浅間神社です。そして御師も吉田御師に移行していき、河口浅間神社の周辺が衰退していきます。
 明治に入ると明治4(1871)年に郷社、大正13(1924)年に県社に昇格しています。

 多くの境内社がある浅間神社ですが、その中でもちょっと気にかかる小さな祠が「波多志神」です。御祭神は「伴真貞」となっているのですが、全然、馴染みのない神号ですね。実は、この人がいわば初代宮司だったのです。
 先程、貞観の大噴火に対して鎮めのために建立されたと書きましたが、そのきっかけを作ったのが伴真貞です。伴真貞は八代郡の大領(郡長のような役職。ただし原文では「擬の大領」とあるので、そのままの大領ではなかったかもしれない)でした。この人から
貞観の大噴火発生
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伴真貞が突然、神がかる
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「我は浅間明神なり。私の希望してゐる事を悟ることが出来ないのでこの様な鎖さ恠を示すのだと、さかんに申し立て一日も早く祝(※宮司職)祢宜を任命し神社を建立、我を齋き祀り祭儀をさせよ」と伴真貞が申し立てる
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甲斐国司 橘ノ末茂公が真貞公の申し立てを卜占して虚実を判定
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卜占の結果、その申し立てに間違いなしと判定
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伴真貞公を祝、伴秋吉を祢宜に任として八代郡役所以南に祠を建立、明神を招請させる
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官民挙げて奉謝鎮祭を執行
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噴火鎮まらず
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国司が使者を送って調査させると「せの海」を千町歩を埋めたてた程の大噴火と判明
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富士山と正対した静かな場所に石造りで言ひあらはせぬ程の美しさの麗しい神社がを発見
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国司は噴火規模、神社を朝廷に報告
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朝廷。神祇台帳に登載の上官社に列する
と粗々ですが解釈ができます。そしてこれだけの行数を費やしましたが、伴真貞が初代の宮司であり、今も賛同の真ん中で参拝客と富士山を見つめているのだと思います。

神社概要

【御祭神】浅間大神

【社殿】一間社流造

【鎮座地】   山梨県南都留郡富士河口湖町河口1

【アクセス】 富士急行線河口湖駅からバス

中央道 河口湖ICから約15分

【創建】貞観7年(865)

【社格】 式内社(名神大)論社、旧県社

【境内社】山宮社、山の神社、出雲社、諏訪社、合祀社、波多志社(伴真貞)

【例祭】 4月25日

【氏子】

【ご朱印】 あり

※ 書き置き

【ご朱印帳】 なし

【HP】なし

【SNS】 なし

地図

神社お得意のご利益

ひと足伸ばして

河口湖といえば、富士五湖でも最も観光開発をされていて、見どころも食べどころも沢山あります。が、そんな中で、のんびりと少し時間が止まった感覚を味わえるところが「トロワズィエム マルシェ」です。

浅間神社で少し歩き疲れたところで、お茶をしようと思ったら…ここのカフェで甘いものでも食べながら…。良いですねぇ。観光地っぽくないんですよ。遊びに行っておいてアレですが、観光地の雰囲気に疲れたときにも良いですねぇ(笑)。

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