神社でのご祈祷やお守りなどの授受品で支払うお金を「初穂料」と呼びます。
でも、ちょっと不思議な言葉ですが、その謂れは、日本人が農耕民族であり、その代表的な作物が「米」だということを考えると、ちょっと納得できませんか?
もう少し踏み込みましょう。初穂とは、その年、初めて収穫された稲穂を神前に備えた風習から来ているようです。
それと同様に、旬のもの・季節のものを今も「初物」として喜ぶものですが、やはり神前にお供えするのですね。つまり「今年もめでたく収穫できました!ありがとうございます!」という神恩感謝の名残りの言葉が「初穂」なのです。
でも、一般に農業・漁業から離れる人が増えるに連れ、現物が現金に変化してきたのでしょう初穂の後ろにお金を意味する「料」が付けられて今に至るというところです。
これと似た言葉に「玉串料」があります。
神社でご祈祷を受けた方は経験されていると思いますが、ご祈祷の最後に奉納するのが榊でできた「玉串」です。こちらは、玉串を使う場面でのお供えとして、あるいは自前で用意できなかった玉串の代わりに納めるお金という意味があります。
ただ、この2つの言葉、多くの場面で「どちらを使ってもOK!」ですが、時々使い分けも必要です。
で、こんな感じです。
・どちらでもOKな場面:お宮参り、交通安全などの祈願、結婚式
・初穂料だけを使う場面:お守り・御札などの授与品
・玉串料だけを使う場面:(神式)葬儀
そして最後に、
ご祈祷をお願いする際に供える初穂料(玉串料)、財布から直接、手渡していませんか?できれば熨斗袋、少なくとも白封筒に入れてお渡しするのがマナーです。気持ちよく、神前にお参りするためにも気をつけたいものですね。