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金藏寺(金蔵寺)
漆喰細工に彩られた古刹
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御由緒
関東三十六不動尊霊場の他、横浜七福神や武相不動尊8番、関東百八地蔵85番、准秩父三十四観音3番と多くの札所となっている金蔵寺(こんぞうじ)。日吉駅からトコトコと歩いての参拝。途中「赤門坂」とあって、登坂を覚悟しての参拝でしたが、予想に反して下り坂が多くて、さほど苦労せずに到着。立派な会館が目立ちますが山門に回るとお寺だけではなく、天台宗も含めた概要が御札で示されています。これで第一印象は「真面目なお寺」になりました。
まずは、本堂にお詣りをし、そして周囲を見渡すと、左手に「六地蔵」と書かれた扁額が目に入ります。そして、そこには大きさの揃った六体の地蔵尊、そして小さなお地蔵様と、少し新し目のお地蔵様の8体が安置されていて、なんだか四角四面の印象から、ちょっとほっこりとする祠になっています。その隣にも真新しいお地蔵様がいて、お地蔵さんに包まれているような雰囲気。そして、ここから右手、本堂に沿った先の道を見上げると「弁天堂」と言う扁額が。遠目から「不思議な建物だなぁ」と思ったのは、弁天堂は2階建てになっていて、1階は山門のように素通し、向こう側は外にそのまま出て階段になっているのが見えるのです。楼門のような感じですね。この不思議な空間、見ずに引き下がれましょうか。
てこてこと歩いて弁天堂の下に着くと、極彩色の天女像や三猿などが楼門の内部に彫り込まれています。かなりの手が掛けられて造られた事が一歩、足を踏み入れただけで容易に想像できます。そして、目を先に投じると登り階段。楼門の先に祠があるようです。と、このやや上に向けた目線に私の好物が…。龍画です。楼門の天井に白と黒とで描かれた立派な龍が伸びやかに見守ってくれています。弁天様を下からお守りしているんでしょうか。
そして、階段の先へと進むと稲荷社が一つ、そして同じように鳥居が置かれた祠が一つ、それを振り返ると弁天堂の2階を取り囲むような廊下が繋がっています。この廊下を歩いていけば弁天堂の正面に行けるわけですが、1階と同様、お堂の周りの細工がすごい。明らかに漆喰とわかる優しい白さの彫刻がお堂を取り囲んでいます。これだけの漆喰細工って、今、作れるんでしょうか?と言うほど夥しい数の彫刻を見ているだけで余裕で時間が経ってしまうでしょうね。ただ、幾つかの神社やお寺を巡ろうを考えている私には、そこまで細かく見切る時間がなく、弁天様にお詣りをしたら寺務所へGOです。
寺務所では、コロナ禍の為、書き置きならと言うことで御朱印を頂き、これを機会にと漆喰細工についてお尋ねすると、先々代の住職の頃、四国からやってきて住み込んでいた宮大工さんが長年を掛けて作り上げたものだそうです。
神社やお寺を見て回ると木や石を掘り上げた文化財を見ることは多いのですが、漆喰、それも大規模な漆喰細工を見る機会は、それほど多くはありません。また、漆喰と建物の木材とが一体化したように作り込まれているのも宮大工さんの真骨頂ではないかと思います。
ご利益や御朱印を「目的」にしているだけではスルーしそうなお寺の歴史、文化財。美術館で見たら、どれだけの費用が掛かっているかわからないほど、数多く拝見してきていることに改めて気付かされた金蔵院さんでした。
私見ですが
日吉本町駅からの方が便利な立地ですが、交通費などを考えて日吉駅からの徒歩ルートを選択。静かな住宅地の中にある名刹。お札所めぐりにあって、少しのんびりと時間を使うつもりで参拝してみてはいかがでしょうか。
お気に入り度
★★★
雰囲気
★★★★
アクセス(駅近、駐車場など)
★★★
寺院概要
【山号/院号】 清林山/仏乗院
【宗派、御本尊】天台宗/大聖不動明王
【所在地】 神奈川県横浜市港北区日吉本町2-41-2
【アクセス】横浜市営地下鉄 グリーンライン 日吉本町駅から徒歩4分
東急東横線 日吉駅から徒歩12分
【開山】 伝・貞観年間(859年 – 876年)
【ご朱印】 あり
※ 時期により書き置きにて対応
【ご朱印帳】
【HP】 オリジナル
【SNS】 なし